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愛おしいキミに極甘な林檎を
第50章 pallidus memoriae*儚い恋と永久の愛



リビングのテーブルには置き手紙と昨晩見つけてしまった大金が入った封筒が置いてあった。


ソラ先輩が何か伝えたいことがあった時は置手紙を書いていくから私宛だと分かる。



手紙の方に恐る恐る手を伸ばし、二つに折りたたんであった紙を開く。


そこにはいつもより多い文字量が書かれていて、起きてから感じていた異変が当たっていたことを物語っていた。



毎朝愛しいと思っていた手書きの文字が零れ落ちた大粒の涙で滲んでいく。


一粒では足りなくてポタポタと最後の手紙の上に落ちる。



「どうして……、っ…、ソラせんぱい……、こんなの…いや……」


望んでいた未来が消えてしまって私は立っている力も失い、冷たい床へと座り込んだ。



まだ目が覚めなくてぼんやりとしていた頭が急に悲しみでいっぱいになって喉の奥が苦しくなってくる。それにこの事実を理解する思考さえも奪われる。



本当の愛の意味を教えてくれた人に深く傷つけられた言葉はとても優しかった。


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