この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第50章 pallidus memoriae*儚い恋と永久の愛

離れていった事実を受け入れられないまま、何も手が付かない時間が続いた。
ソラ先輩のいない未来なんて考えられない……。
ただその言葉しか思い浮かばなくて、まるで生きることを忘れてしまったように憔悴した。
だけど、独りになってから外の世界へ出ると待っている男がいた。
彼は理解があって、いつも私の近くで大切に思ってくれていた人で泣いている私を精一杯慰めてくれた。
どうやらソラ先輩は「風子のことを支えてあげてください」っと彼と二人っきりで会った時に頼んでいたらしい。
あれほど他の男に私を奪われるのが嫌だと言っていたソラ先輩が託すのだから本気だったんだろう。
私の幸せを願って……――――
捨てられた怒りはあるけれど、憎んではいない。……今でも愛してる。

