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愛おしいキミに極甘な林檎を
第50章 pallidus memoriae*儚い恋と永久の愛

結婚してからは毎日が目まぐるしく過ぎていく。
寿退社をせずにそのまま仕事を続けることにしたから、新婚生活を除けば何ら変わりがない。
変わったのは苗字と住む場所だけ。
「えっ!?卵焼きはしょっぱい派なんですか!?私は甘い派だったので……。今度からあなたのと私の卵焼きを分けて作りますね」
夫とは同棲しないまま結婚したから初めて知ることもあったし、合わないところもあった。
それでも私より大人の夫は付き合う前の頃から何も変わらず優しくしてくれて、難なく共に生活していける気がしていた。
夫婦になってからコンドームを使わずに何度かしたセックスで私は妊娠して、二十六歳の時に子供を出産した。
産まれてきた子供はどちらかというと夫の方に似ている。
優しい性格を受け継いだように柔らかな笑みを浮かべてくれて我が子がとても可愛く思えた。

