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愛おしいキミに極甘な林檎を
第8章 邂逅と甘美なデート

不安を口にしているうちに泣いてしまって鼻水をすすると慰めるように私を抱き寄せてくれた。
「ごめんね。スマホが壊れて連絡できなかったんだよ」
「…………」
嘘だ……。そんな単純な理由で八ヶ月も会えないはずがない。
「それから携帯会社に行く時間もないまま急に海外出張に行くことになったんだ」
「えっ……」
「昨日、やっと日本に帰国できて仕事が休みだったから真っ直ぐこっちに来てさ。
連絡を取る手段がないから風子の家に直接行ったんだけど、風子のお母さんにまだ仕事が終わってないから会社の近くの駅で待っていたらって言われて」
言ってることが本当だとすると、昨日駅で会えたのは私を待ち構えていたから。
もし、課長とご飯に行っていたら会えないままだったんだろう。

