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愛おしいキミに極甘な林檎を
第50章 pallidus memoriae*儚い恋と永久の愛

顔を洗ってから、ダイニングテーブルの椅子に座って久しぶりに一緒に朝ご飯を食べる。
彼氏の手料理にふたりで食べる朝ご飯は、ひとりで食べるよりもずっと美味しく感じた。
食後にはマグカップに入っている温かいミルクティーを飲む。
少しミルクが薄めに感じるから市販のものではなく、ソラ先輩が紅茶と牛乳を合わせて作ってくれたことが分かった。
はちみつが入っているから優しい甘さが口の中に広がる。
「ソラ先輩の作ってくれるミルクティー、甘くて好きです」
「喜んでもらえて良かった。久しぶりに作ってあげたくなったんだ」
「この味、懐かしいです」
心が落ち着く味。大学生の時、過去の記憶に苦しめられていた私にソラ先輩が作ってくれたことがあった。
一緒にいるか、別れるか話し合って泣いていたけど、このミルクティーのおかげで心が落ち着けることができた。
その時の状況がなんとなく今と似ている。

