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愛おしいキミに極甘な林檎を
第50章 pallidus memoriae*儚い恋と永久の愛

「分かってるよ。でも、もし他の男に風子を託さないといけない時がきたのなら郁哉さんを選ぶかな。
瀬戸内さんは兄になるわけだし……」
マグカップに残っているミルクティーを温かいまま飲み干そうとした時に言われて、ごふっと喉の奥につまりそうになる。
なんとかごくんと飲んでからマグカップをテーブルの上に置いてソラ先輩に視線を向けた。
「いなくなったらなんて物騒なことを言わないでくださいよ」
「例えばの話だよ」
「だけど、そう思ったからソラ先輩の夢での私の結婚相手は課長だったんですね。それなら納得です」
「無意識なものだからどうなんだろうね……」
冷静に言ってから私と色違いのマグカップを持つソラ先輩。
日曜日の朝はカフェオレを飲んでいたけど、今日は私と同じミルクティーを飲んでいる。
また一緒だ。
些細なことに喜び、久しぶりに穏やかな気持ちでゆっくりと休日を過ごせた。

