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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人



【ごめん。少し遅れるから温かいところで待ていて】


優しい気遣いにほのぼのとしながら【分かった】っと返事を送った。



「ひゃあっ!?」


スタンプも送信しようと思った時、誰かにポンッと肩を叩かれて驚いて横を振り向く。


姿を見た瞬間、私は目を大きく見開いてスマホを両手で握りしめた。


「乙羽、オレだ。塑羅緒くんでも待ってるのか?」



「課長!そうですけど……、課長が駅の方まで来るなんて珍しいですね」


「これから乙羽の女友達と食事に行くんだ」


「あらま、デートでしたか。いってらっしゃいです」



快く送り出したつもりが課長は私の前からすぐに立ち去る気配がない。


これは気になっていたことを聞けるチャンスだ。



「そういえば、課長――――」


「風子じゃん!おひさー!あ、花城さんもいてラッキー」


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