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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人

「誤解です。彼女はそんなことしませんよ。これ以上騒ぎ立てるならそれなりの対応をしますが」
「は?アンタはこいつの彼氏なんでしょ?なんで疑わないわけ!?」
「……失礼します」
話の途中で睨むような鋭い視線を女に向けたソラ先輩は私の背中を押してエレベーターに乗る。
ドアが閉まって動き出してから、女がついて来れないことを知って私は胸を撫で下ろした。
怖かった……。
部屋に入り、玄関のドアの鍵を閉めてから逃げ切れたことを実感すると、我慢していた気持ちが溢れ出して涙が流れてきた。
怖くて体が震えている私をソラ先輩が優しく抱きしめてくれてその涙は止まらなくなる。
「怖かったね。もう大丈夫だよ」
「はい……。っ…、ううっ……、ソラ先輩……」
「俺のせいでつらい思いばかりさせてごめんね……」

