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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人



またソラ先輩が自分を責めていそうだった。


そう思って欲しくなくて急いで私は首を横に振り、腕を掴んで無理矢理笑顔を作って見上げる。


「大丈夫です。助けてくれてありがとうございました」


でも涙で濡れた私の顔を見たソラ先輩は、やるせなさそうな表情をしてもう一度強く抱きしめてくる。


きっと私がちゃんと笑えていなかったからなんだと思う。


それでも受け止めてくれるこの優しさを未来に向けて欲しくない……。


願うように目を閉じて、私もソラ先輩の背中に手を回して涙が止まるように温もりに浸った。




次の日から朝は一緒に家を出て、帰宅時間も合わせるようにした。


新くんの女がまた待ち伏せしていた時のため、なるべく私が一人になる時間を減らそうという作戦らしい。



でも二、三日経った頃、不気味なことが起きる。


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