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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人

「我ながら上手くできたと思うよ」
「上出来です。卵焼きも上手く焼けるようになってすごいです」
チキンライスが卵焼きで隠れていない不器用なオムライスがテーブルの上へ運ばれてくると頬が緩み、紙を貼られた不愉快さもどこかへ吹き飛んでいった。
暖かくて優しいこの時間は他の誰にも作れない。
私が求める時間を与えられるのはソラ先輩だけ……。
代わりなんて誰もできない……――――
「いい匂いがする。何か塗ったの?」
「ボディークリームです。最近乾燥するのでお風呂上がりに塗ろうと思いまして」
楽しい食事の時間を終えて風呂に入り、いい香りのするボディークリームを塗ってからベッドに乗ると先にいたソラ先輩が寄ってきた。
しかもクリームを塗った胸元に顔を近づけて嗅いでくる。
「この匂いも好きだな」

