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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人

「電話をしながらメモも取れないし、大事な書類を落とすこともある。おまけにパソコンのキーボードも打てない。
何度、注意してもだ。お嬢さんはこんな部下が役に立っていると思う?」
事故の後遺症で右手が不自由だったんだからそれは仕方がないこと。
ソラ先輩がしたくてもできないことを責めていると思うと腹が立ってくる。
「それは前のことですよね?彼氏はリハビリをしていたので今はだいぶ良くなってると思いますけど」
「いいや、それでも遅いねぇ。だから大空くんだけは残業が多いんだよ。彼女にはさぞかしできる所を見せているんだろうね。
こんな出来損ないのせいで夢が絶たれた雪原が可愛そうだとと思わないかい?」
「世の中、仕方のないことだってあります」
「それならお嬢さんの身がどうなっても仕方がないよねぇ……?」

