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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人

「えっ……」
「素直に言うことを聞いてくれたら、大空くんのことを上司として助けてあげてもいいけど……?」
掴んでいた私の腕を引いて火ノ浦さんはどこかへ連れて行こうとする。
抵抗して歩幅を小さくしていると後ろから誰かが走ってくる足音が聞こえた。
もう片方の手をその人に掴まれて後ろを振り向いた後、私は目を大きく見開く。
「乙羽!どこに行くんだ」
「課長!?」
驚いた声を上げると火ノ浦さんは足を止めて私と同じ方に視線を向けた。
「どなたですか。彼女に手を出さないでいただきたい」
「お嬢さんの上司……?これは、これは失礼しました。彼女とは知り合いですし、ナンパではないのでご安心を」
「そうなのか?乙羽」

