この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人

一緒に暮らし始めてソラ先輩のことが漸く分かってきたと思っていたけど、読めないところもまだある。
大魔王モードである裏の顔をしている時が特に分からない。
「試してないから安心して。風子を信じているから大丈夫だってことだよ」
「でも……」
「それにこれは……友達として最後にあげる優しさかな」
笑顔とは裏腹に怖い事を言う。私がいないところで仲の良かった課長とついに衝突でもしたんだろうか。
どちらも大人だから感情に流されるような喧嘩はしないと思うけど。
「課長の恋人のフリをしないといけないなら、私はソラ先輩と一緒に過ごせないんですか……?」
「それは俺が傍にいない間だけだよ。本当は俺が守ってあげたいんだけど、会社に行って離れると手が届かないからね。だからその間だけ……。
つまり会社帰りにまた風子の身に何か起きたら大変だから、郁哉さんが守ってくれるってこと。良かったね」
「良くないです。嫉妬してるじゃないですか」

