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第51章 偽りの恋人

不満がるように再び頬を膨らますとソラ先輩が私の体を倒してきた。


なんだかんだ言っていつも優しくしてくれていたから、ゾクリとするような冷酷な眼差しで見下ろされて驚いて息が止まる。



「妬いてるからこそ、敢えてこうしたんだろ」



無情に言い放ったその言葉から原因である私と課長には見せないものを感じた。


嫉妬の粗治療にしては短絡的に思えるから、やはり何か考えていそうな気がする。



でも、これで婚約破棄は免れた……？



口をぽかんと開けているとソラ先輩はゆっくりと顔を近づけてくる。



何をされるか分かった私は、キスをされる時には自然と受け入れる態勢になっていた。