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愛おしいキミに極甘な林檎を
第9章 曖昧と鏡の前のお仕置き

「わぁっ!?あああー……」

給湯室でコップを洗おうと持って行くと壁に肩をぶつけて飲み残していたコーヒーを零してしまった。

スカートに大量に掛かり、コーヒーを作ってからあまり時間が経っていなかったから若干熱い。


「どうした?何かまずい事が起きたか?」

零した瞬間に大声を出してしまったせいで課長がやって来た。


まだどこも拭いていなかったからこんな姿を見られて恥ずかしい。


「あはは……、すみません。コーヒーをこぼしただけなので気にしないでください」


カップを置いて濡らしてしまった床を拭こうとすると課長も一緒に拭いてくれていた。

朝から迷惑を掛けてばかりで顔向けできない。


「ん……?まだ熱いな。火傷したんじゃないか?休憩室が空いてるだろうから保冷剤を持って行ってそこで冷やしてるといい。
仕事ももう終わりだし、ここもオレがやっておく」


「え……、あ……。私のしたことですし、自分でやります」

「気にするな。火傷をなんとかする方が先だ」


「申し訳ありません。……ありがとうございます」

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