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愛おしいキミに極甘な林檎を
第52章 溺愛カレシと濃密な夜



「家の事情もありますから辞められないんですよ。そうすることができたら楽なんですけどね……」



「そうなのか……。まぁ、無理はしないでくれ。乙羽のためにも元気でいるのが一番だ」


いきなり私のことを出されて動揺して、フォークに盛っていたご飯粒をボロッと落としてしまった。


しかも落ちたのは胸の上。向かい側に座っている課長に見られて恥ずかしくなる。



テーブルの隅に置いてある紙ナプキンに手を伸ばそうとすると、隣に座っているソラ先輩が先に取って私についているご飯粒を取ってくれた。


その時にほんの少し胸が潰れて更に恥ずかしさが増したけど、しっかり見てくれているんだなと思った。



「取ってもらっちゃってごめんなさい。ありがとうございます」



「いいよ」


ドジなところをつっこまないでくれるのも有難い。


よくできたイケメンの彼氏が隣にいて、対面にもカッコいい男が座っているせいか通路を歩いていく人たちから視線を感じる。


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