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愛おしいキミに極甘な林檎を
第52章 溺愛カレシと濃密な夜



課長と別れてからマンションに行くまでも寄り添ったまま歩いていた。


俯きつつも周囲を警戒するけど、帰宅時間が過ぎて暗いのもあって誰も歩いていない。



おまけに雪が降りそうなくらい寒いから張り込んでもいなさそうに思えた。


私とソラ先輩は有名人ではないから、そこまでして見張られることはないだろう。




何事も起きず、無事に家に帰ることができて張り詰めていた気持ちが抜けた。


コートを脱いでソファの背もたれに置いた後、ソラ先輩が近づいてきて急に私を抱きしめてくる。


何度かキスをされてからソファに体を倒されると、私に逃げられないように被さってきた。



「えへへ。部屋がまだ暖まらないので温かいです」



「えへへじゃない。俺が迎えに行かなかったらいつまで郁哉さんと二人でいてくる気だったの?」


「財布を見終わったら帰ろうと思ってました」


「それは退職した人にあげるプレゼントなの?」


「違います」



「だったら俺と一緒でも見れるだろ」



「ごめんなさい……」


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