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愛おしいキミに極甘な林檎を
第53章 あなたがそばにいれば……

「してないんですかぁ……。花城課長は乙羽さんのことが好きだと思うからしちゃえばいいのに」
「あの……、私に婚約者がいることを忘れてます?」
「覚えてます。でもまだ結婚してないんですもんね?」
「そうですけど……」
彼氏がいると知っていて、やっているとは質が悪い。
最早苦笑いすることしかできなかった。
伸ばした腕にお湯をかけて手を滑らせた後、鈴川さんは伏し目がちな顔をして口を開く。
「旦那には黙っていて欲しいんですけど、実は大学生の頃に妊娠したことがあるんですよ。……でも色々あって産むことはできなかったんですけどね。
妊娠にはすぐに気付けなかったかったんですけど、なんかいつもと違うなーっていう感じはありました」
「なるほど……。違う感じですか……」

