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愛おしいキミに極甘な林檎を
第53章 あなたがそばにいれば……



「知らないのなら恥をかく前に聞いてくれて良かった。あの人は代表取締会長つまりうちの会社の社長ということだ。
あまりうちの課には顔を出さないから知らないのも仕方ないか」


「いいえ、私の勉強不足でした。この叔父さん誰だろうっていつも思ってましたから」



「こっちにも回ってくると思うが、その時はちゃんと挨拶をして欲しい」


「分かりました。クビにならないためにも失礼がないように気をつけます」




宴会が始まってからしばらく経った後、私の席の近くにもその会長やって来た。


陸田さん夫妻はどこかへ姿を消し、課長は他の課の人たちに挨拶に行っていて私一人。


とても緊張するけど、前もって課長からこの叔父さんがどんな人か教えてもらっていて助かった。


これで無礼を働かないように気をつけることができる。



「花城くんの直属で仕事をしている子だよね?今年は一緒に北海道に出張に行ってくれたんだってねぇ。急な変更にも対応してくれて助かったよ」


「いえいえ、私自身もとても勉強になりましたので……」


「まぁ、今日は泊りだから遠慮なく飲んで」


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