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愛おしいキミに極甘な林檎を
第53章 あなたがそばにいれば……

近くの席にいた人が会長に話し掛けてからこちらにやって来る。
「おれは人事課にいるんだけどよろしくね」
「はっ、はい。よろしくお願いします。お酒を注いでもよろしいでしょうか?」
お酌をしている間に周りに知らない男の人が三人ほど集まってきた。
社員から慕われているのか会長は人気者のようだ。
「花城の彼女を狙っちゃダメですよ、会長」
「ハハハッ、そんなことをしたら奥さんに怒られるな」
他の人は楽しそうだけど、私は社交的な性格ではないから知らない人に囲まれて内心怖くなる。
だけど入社して二年目の私にとって年上の人は皆先輩。全てが断りにくい。
愛想笑いをしてお酌をするくらいは何とかこなせるけど、こちらにも酒を勧めてくるから困る。
面白がられて飲んでも、飲んでも注いでくるからキリがない。
そんな中、なんとか話し掛けられていない隙を狙い、スマホを見てみるとソラ先輩からメッセージが届いていた。

