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愛おしいキミに極甘な林檎を
第53章 あなたがそばにいれば……

側にいてくれれば安心して飲むことができるのに……。
「乙羽!?何をしているんだ……」
気が付いた時は課長の驚いた声が聞こえてきて、やっと席に戻ってきたことが分かる。
自分が何をしていて課長に驚かれたのかは分からないけど、隣に座ってくれたからもう飲ませられなくて済みそうだ。
「よう!フラワーキャッスル。おまえの部下を可愛がってた」
「そのあだ名はよしてください、先輩。それに若い者に飲ませ過ぎです」
「おまえも会社に入った頃はこのくらい飲んでただろ。この子、飲みっぷりが良くて会長も気に入ってたぞ」
良かった……。これで課長も恥をかかずに済む。
そう言いたかったけど口を閉じたままなのか、話しているのかさえも自分で分かっていなかった。
「彼女は酒に弱いので、断り切れなかっただけかと思いますがね」
「なぁ、おまえら付き合ってんの?噂になってるけど」

