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愛おしいキミに極甘な林檎を
第53章 あなたがそばにいれば……

どんな意味で言ったのか分からないけど、そう思うならあの場から一緒に連れ出して欲しかった。
「いや~、課長と乙羽さんのおかげで夫婦二人で満喫できましたよ。なかなか旅行にも行けなかったのでいい機会になりました」
「それはよかったな」
私にとってはよくない。
「まさに二人はおれたちの愛のキューピットですよ。課長と乙羽さんがいなかったらおれは一生独身でいたかもしれません……。だからお礼に今度はおれたちが応援してますんで」
吐き気と頭痛でお節介発言に付き合っている余裕もない……。
それからなんとかお土産を買い、帰りのバスに間に合った。
帰りも課長の隣の席。昨晩何をしたのか分からないけど、陸田さんが言っていたとおり職場公認のカップルのようになっていた。
もし、課長を選んでいたらこの環境はとても幸せなんだろうけど……。
「なぁ、ここはどうやるんだ?乙羽、教えてくれ」

