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愛おしいキミに極甘な林檎を
第53章 あなたがそばにいれば……

気持ち良く感じたのはきっとソラ先輩の声だ。
課長も私の嫌がる事はしてないと言っていたし……。
「泣き叫んでいた記憶は残っていたんですけど、そういう事だったんですね。心配かけてすみませんでした……」
「無事に帰ってきてくれたからいいよ」
「ありがとうございます。やっと今日から仕事が休みになって気が楽です」
「でも、今まで酔ってもあそこまで泣いたことはなかったよね。酔うと理性が外れると言うし、風子には泣きたいほど溜め込んでいる何かがあるのかな?」
鋭い洞察力を向けられてギクッとして肩が上がった。
他人には無関心なくせに、私に対しては嘘さえも見抜こうと入り込んでくる。
「なっ、何もないですよ。早く結婚したいなーってくらいしか……」

