この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第53章 あなたがそばにいれば……

「え?誰それ」
ハンドルを握り、車を発進させたソラ先輩は表情を何一つ変えず答える。
運転をし始めて目線は前方に向けているから、きちんと目を合わせて大事な事を話すことができない。
しかもさらりと流されるから少し不満だ。
「送ってきたメッセージに書いたじゃないですか」
「なにを?」
「とぼけないでくださいよ。理香さんと飲んでるって言ったでしょ」
「んー?俺はそんなこと書いてないよ?」
「嘘です」
「本当だって。そんなことは書いていないからよく見てごらん」
いいや。昨日、確かにこの目で見た。
疑いながらもスマホを手に取り、ソラ先輩から昨日送られてきたメッセージをもう一度読み直す。

