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愛おしいキミに極甘な林檎を
第53章 あなたがそばにいれば……

やって来たのはソラ先輩の実家でお世話になった家政夫さん。
名前は確か……杜(ヤシロ)さんだった気がする。
これまた慎重に対応しないといけない相手。
さっと片付けたリビングに通して、緊張しながら淹れたお茶を出してから私も同席する。
向かい側に座っている社さんには笑顔がなくて緊迫感が漂う。
「遠くから御足労いただきましてありがとうございます。……どうかなさいましたか?」
「早急にご実家にお帰りください。お爺様がお呼びです」
「俺の婚約者と会う時間を作ってくださるということでしょうか?お爺様はまだ彼女の顔を知りませんでしたよね」
「いいえ。……風子様との婚約は残念ながら今すぐに破棄なされるよう申しつけられています」

