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愛おしいキミに極甘な林檎を
第53章 あなたがそばにいれば……

「それでは不貞行為をしているということはやはりデマなのですね」
「当たり前です。俺だって彼女が浮気をしてないことくらい分かってますよ。仕事以外は一緒にいるんですから」
動じることもなく真っ直ぐに答えた言葉に再び涙が滲んでくる。
「風子様……、本当なのですか?」
視線を向けられて、ソラ先輩が取ってくれたティッシュで涙を拭きながらこくんと首を縦に振る。
信用してもらえるように事情を説明したかったけど、まだ喉の奥が苦しくて話すことができなかった。
「そうでしたか……。大変失礼致しました」
「寧ろ、彼女は被害者です。それに浮気をしていると勘違いされてしまったことには理由があるんですよ」
こうなってしまった経緯をソラ先輩が代わりに話してくれた。
後継ぎをできなくなったことで怨まれ、新くんとその彼女、火ノ浦さんに私が狙われるようになったこと……。
でも私を守るために課長が抱き寄せたことだけは話さなかった。

