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愛おしいキミに極甘な林檎を
第53章 あなたがそばにいれば……

大好きな甘い物を食べて笑顔になると、私に釣られたのかソラ先輩の表情も緩んでいた。
「元気出た?」
「……はい。ありがとうございます」
とても懐かしい慰め方。
大学生の頃にも機嫌の悪い私にプリンを食べるように出してくれたことがあった。
あの時に食べたひよこの顔が描いてある可愛いプリンはもう売っていない。
「スプーンを貸してください。私も食べさせたいです」
でも今はどんなものでも二人で食べただけで笑顔になれる。
自分で取りたくても、なかなか取れない機嫌を取ってくれる優しい彼氏。
きっと私を慰められる人はソラ先輩しかいないだろう。
そして付き合う前に欲しかった時間が今あるから、悲しい顔をしていたら勿体ない。
恐らくソラ先輩は私にそう言いたかったように思えた。
「あの……、明日買い物に行きたいんですけどいいでしょうか?」

