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愛おしいキミに極甘な林檎を
第9章 曖昧と鏡の前のお仕置き

誘われると思っていた金曜日は何もなく終わった。
どうやら土曜日に送別会があるから来れなかったらしい。
本当にそうなんだろうか……。
浮気相手と会っていたんじゃないかなど悪いことを考えてしまう。
来週からこっちの方の会社に戻ってくるから言っていることは筋が通っているけど、まだ信用できない……。
それでも会って私への愛情を確かめたくなるのは、もう一度信じてみようという情が心のどこかにあるからなんだと思う。
付き合っていた頃は本当に幸せだったから……。
だけど、音信不通にされたことでソラ先輩に対しての気持ちがひねくれてしまったのは言うまでもない。
今だって約束をすっぽかされるのが怖くて少し遅れて待ち合わせ場所に向かっていた。
すると約束どおりソラ先輩がいて、目が合うと私の方へ向かって走ってくる。
「風子!」

