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愛おしいキミに極甘な林檎を
第9章 曖昧と鏡の前のお仕置き

「始発で来るなんて昨晩は相当お酒を飲んだようですね。お店はどこも開いてないですし、こんなに朝早くから会わなくてもいいじゃないですか」


「酔うほど飲んでないし、少しでも長い時間一緒にいたいから早く来たんだよ」

二日酔いとは無縁そうに爽やかな笑顔をして私の手を握ってきたソラ先輩。


大きな手に包まれて歩きながら、時より見上げてみる。

朝早いと言うのに背筋が伸びていてだらしなさを感じさせない。相変わらず完璧な人だ。


「ん?どうしたの?」

「いえ……」


「来週は引越しがあるからこうやってデートできないだろうし、今日は楽しもうね」


「…………」


「……ありがとう。俺と会ってくれて」


「前回同様、暇だから来ただけです」


「いや、もうダメだと思っていたから」

「ダメってなにがですか……?」

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