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愛おしいキミに極甘な林檎を
第54章 想いと青春の絆

「ええ。新幹線を降りてからは車で迎えに来てもらいましたし、外を歩くことはあまりなかったもので」
家族から一体、何を言われてきたんだろう。
内容は私との婚約についてなんだろうけど……。
わざわざスーツを着て行くくらいだから、社長であるお爺さんと会って大事な話をしてきたのに違いない。
課長もいるから何もなかったような顔をしているけど、二人きりになった時にどう変わるのか今から怖かった。
「さっき、ショッピングモールで乙羽のことを指差して噂の婚約者だと言ってくる女と会った。だから今後も用心した方がいい」
「そうでしたか……。郁哉さんにまでご迷惑を掛けてすみません。念の為、郁哉さんも気をつけてくださいね」
「ああ。……すまないな」
「いいえ。それでは良いお年を」

