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愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り

何もなければ嬉しいはずの言葉に神経質になってしまい黙り込む私。
でもそんな複雑な気持ちの中でも、ソラ先輩と海田先輩の会話を聞いていると高校時代を思い出して心がほんのりと温かくなった。
いつでも二人は私にとって優しくて頼りになる先輩だ。
先に布団を被って待っていると、電話を終えたソラ先輩がすぐ隣に入ってきた。
親友との会話が楽しかったのか表情が穏やかでご機嫌のようだった。
「俺と風子が結婚することを望んでくれているみたいで嬉しいね」
「はい……。嬉しいです……」
「あまり乗り気じゃないみたいだけど、どうしたの?風子は俺と結婚するんだよ?」
瞬きをして頷くと、ソラ先輩は私のおでこの熱を確認するようにおでこをそっとつけてくる。
「熱があるんじゃない?やっぱり風邪引いた?」

