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第55章 届かぬ愛の裏切り

始めはじれったく感じていたけれど、次第に吸い付くような感覚に蕩けていく。


最近ずっとコンドームをつけずにしていたからこの刺激が穏やかに思える。



でも強い快感を求めない分、抱き合って、キスをして、愛する人とひとつになれる悦びを強く感じていた。



「痛くない？」


「なんか優しすぎて新鮮です」



「優しくしてって言ってたくせに激しい方をお望みだったのかな。……でも体調が良くなさそうだったから今日は苛めないよ。風子のことをゆっくり愛するから」


先程言っていたように、とびきり優しい。


二人で快感を求めるというよりも、愛を確かめ合うように唇を重ねて互いの体温を知る。



「風子……」