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愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り

頬をそっと包む大きな手に、心地良く胸に響く低い声。
付き合いが長いせいか恥じらいもあって少し擽ったい気持ちになる。
でもずっと繋がっていたいと思えるほど大好きな温もりなのは変わりない。
セックスを終えて火照った体が冷えてきた頃、ソラ先輩は私の肩が冷たい空気に触れないようにしっかりと布団を掛けてくれた。
とても幸せなのに、目を閉じると女友達に言われたことを思い出す。
* * *
「もうここまでしちゃったんだし、彼氏と別れて花城さんと付き合っちゃえば?」
「えっ……」
「浮気したと一緒じゃん」
ファミレスでご飯を食べている時に女友達が驚くようなことを言ってくる。
課長とのことにナーバスになっているからといって感情的になってはいけない。
だからなるべく冷静を保つように笑顔を作った。

