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愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り

素直になって少し空いていた距離をつめて、横向きになって体をくっつけた。
するとソラ先輩は私を落ち着かせるように背中をぽんぽんっと優しく叩いてくる。
「……ねえ、ソラ先輩。人はどうして結婚するんでしょうか」
「それはね、人間が社会的存在だからかな。子孫繁栄のためや、秩序を守り、責任感を持たせるためでもあるね。結婚と言う契約を結ぶことによって社会的に認められた夫婦というものになって――――」
ああ……、難しい。
しかも長いから途中で耳に入らなくなってきた。
ずっと一緒にいたいから、愛してる……とかロマンチックなことを言ってもらえるのかと思っていたのに、哲学を話してくる始末。
どうやら聞く質問を間違えたようだ……。
でも難しくて何を言ってるのか理解するのも面倒になるおかげで、だんだん瞼が重くなっていく……。
「――――ってことだから……、あれ……、寝ちゃったかな?
…………。ふっ、可愛い。……ちなみに俺が風子と結婚したい理由はね――――」

