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愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り



定時が近づいてきた頃に、私の隣のデスクにいる陸田さんが机の上の物を次々とダンホールにしまっている。


「陸田さん、新年早々掃除ですか?偉いですね」


「片付けないとだからねー。って、乙羽さんは聞いてなかった?おれ、明日から転勤なんだよー」


「ええっ!?陸田さんが転勤!?」


いきなりの出来事に驚いた私は目を見開く。


どういう事なのか気になり、仕事も一段落していたから手を止めて話すことにした。


「そう。急に隣町の支社に助っ人として入ってって言われて行くことになったから」


「いつ戻ってくるんですか?」



「あっちに行ってみないと戻って来れるのかさえ分からないなぁ。

課長と乙羽さんの前から去るのは寂しく感じるねぇ……。

特に課長……、入社してからずっと同じ課で仕事してきましたもんね……」


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