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愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り



「寂しいですけど、寂しくありません。彼氏といる時間は少なくても充実しているので」



「そうか……。寂しくないのなら良かったな。……明日も乙羽に何かあったら困るから一緒に帰ろうな」


ふわふわと舞い、降り積もっていく白い雪。


あまりにも静かなせいでお互いに大事な話を切り出しにくくなっていた。


課長も私に話したいことがあるのは気づいている。


でもすぐに話さないことから推測して、言い難い内容なんだと思った。



連休中にメッセージで伝えた私が話したいことにも触れてこない。


結局そのまま、特にこれと言ったことも話さず課長の隣を歩いて帰った。




次の日。午前九時を過ぎた頃、陸田さんの代わりに入る人を紹介されることになった。


「新しい人、もうすぐ来るんですよね!ドキドキします。
陸田さんの代わりってことは私と同じ仕事をするんですか?」


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