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愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り

課長に書類を渡しに行ったついでに質問したけど、なぜかあまりいい顔はされなかった。
「そうだな。だが、あまり浮かれられては困る」
「すみません。仕事に専念します」
注意されて謝ったものの、楽しみには違いない。
陸田さんの代わりと言っても勤務期間は私の方が長いからしっかりしないと。
後輩でいることが多かったから、先輩になれることが嬉しくて心が弾む。
それから同僚に案内されて陸田さんの代わりの人がやってきた。
同じ歳で細身で短髪の女性……ではなく男性で、見た瞬間私は目を丸くした。
「潮崎 浩介(シオサキ コウスケ)と申します。入社したばかりで分からないことだらけですが、これからよろしくお願いします」
足を踏み入れてから元気に挨拶をしたその男は、髪も染めておらず清楚で明るい印象だった。

