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愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り

もしかしなくとも私は風子だ。
会社のネームホルダーを吊り下げているから見れば誰だって分かる。
でもいきなり呼び捨てで読んでくるとは、やはり苦手な人かもしれない。
同じ歳だからそう呼ぶのかな……。
初対面なのに失礼な人だなと呆れた目を向けてしまう。
「まじで!?やっぱり風子なんだ!」
「そうですけど……」
潮崎さんが満面の笑みで喜ぶ一方、ネームホルダーを見て名前を口に出されて複雑な気持ちになり曖昧に答える私。
「小神(オガミ)風子!」
「えっ!?どうしてその名前を……!?」
人差し指を向けられながら、しっくりこない私を驚かせた一言は高校一年生の夏までの私の苗字だった。
それと同時にどうして私の前の苗字を知っているのか怖くなってドキドキしてきた。

