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愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り

「今までされてきた嫌がらせの証拠も写真に収めておきましたし、そろそろ通報しますね。
……でもそうするとあなたは普通に生活ができなくなって、人生が台無しになりますね」
正論を言っているけど、脅しているようにも聞こえるのは私が裏の顔を知っているからなのだろうか。
でも怒らせたら怖いのは万人共通のように思えた。
「だってうちは……、っ……。何よ、こいつ……、早くやっちゃってよ!」
「ヒイイ!」
ソラ先輩のことを恐れて真っ青な顔をした男は、新くんの女を置いてこの場から走り去って行く。
「ああっ!ちょっと、うちを置いていかないで!ひとりにしないでよ!……もう、嫌ッ……!」
険しい表情から泣きそうな顔になってきた新くんの女も、早歩きでコツコツとヒールの音を鳴らして男の後を追って行った。
なんとか助かった……。

