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愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り

呼ばれたと思ってソラ先輩の方を見てみると、目を閉じていて小さな寝息を立てているから眠っているようだった。
いつも先に寝てしまうからソラ先輩の寝言を聞けるのはかなり珍しい。
夢の中まで私のことを考えてくれているのが嬉しかった。
「…………」
ソラ先輩はこんなにも想ってくれているのに、私は……――――
起こさないようにそっと寝室を出て、リビングにある棚の中に入れて置いた紙袋を取り出す。
その紙袋を開けると前に買っておいた妊娠検査薬が入っていた。
生理予定日の約一週間後からできるタイプもので、私はすでに一週間以上生理が遅れているから割と正確に調べることができる。
結果を知るのは怖いけど、このままでは気持ちが晴れない……。
はっきりさせるためにも、テストスティックを箱から取り出してトイレへと向かった。

