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愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り

陽性か、陰性か……。
結果が分かるまでの一分間はとても長く感じた。
刻まれていく一秒がとても重い。
初めて妊娠したかもしれないと不安になった時は大学生の頃。
でもあの時は検査をしなかった。
不安で押し潰されそうになっていた中、安心させてくれる存在がいてくれたから。
今も隣にいてくれるけど、大学生の頃とは状況が違う。
すぐに目に入らない位置に置いたテストスティックに結果が現れるまで、これから待っていそうな未来をずっと考えていた。
一分経った頃、恐る恐る手に取って結果を見てみる。
「…………!」
信じられなくて息をするのも忘れてしまいそうだった。
嘘でないか再び確認したけど、何度見ても結果は同じ。

