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愛おしいキミに極甘な林檎を
第9章 曖昧と鏡の前のお仕置き

今日一日デートをしてみて、少しずつだけど前に進んでいる気がした。
見た感じは本人が言っているように何も変わっていない。
でも、ソラ先輩は隠すのが上手いし、以前よりも何を考えているのか分からないから不安が拭い切れなかった。
午後十時。東京に帰るソラ先輩を見送ってから家に帰り、玄関をそっと開けると理人さんがやって来た。
腕を組んでなんとなく機嫌が悪そうだった。
「おかえりなさいませ。デートはいかがでした?」
「でっ…、デートじゃないですよ!チーズケーキを買いに行っただけです。明日に皆で一緒に食べましょう」
「朝早くから出て行って夜に帰ってくるとは随分と遠いケーキ屋まで行っていたんですね。
千十郎様が風子さんの結婚相手がいつ会いに来るのか気になされていましたよ」
「げっ……」

