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愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り

昨日、感じの悪い男から私を庇ってくれた時にできた怪我。
腫れは少しは引いているようだったけど、まだ痛々しさが残るのが見て分かる。
「ちょっとな……」
潮崎さんは私と課長のデスクの間に来て、他の人に聞こえないようにこっそりと話し始める。
「何となく分かりました。風子のことを巡って男とやり合ったんですよね?
昨日、一緒に帰っているところを車から見ました」
あながち間違ってはいない。
でも事情を全く知らない潮崎さんには誤解されていそうだ。
「風子の彼氏はそんなに強かったんですか?いざとなると課長は強そうな外見してるのに、ここまでやられるなんて信じられないです」
「今の時代は下手に殴り掛かると退職になりかねないならな。それに相手は乙羽の彼氏ではない」

