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愛おしいキミに極甘な林檎を
第57章 私は愛しい大魔王の小悪魔



「いいや、結菜とも過ごしたい。平日は疲れていてなかなか構ってやれていないからな」


「分かりました……」


身体は寂しくなるけどいい父親でいてくれるし、それなりの生活ができて幸せだった。


子供に見せられない欲を我慢さえすれば……。



社会人になった頃、海外出張に行ったソラ先輩に捨てられたと思って郁哉さんを好きになった時から感じていた。


何度想像しても待っているのは、平穏で幸せな生活。


でも結婚した理由が妊娠と背負った罪となると少し違った。



子供と血が繋がってないことまでは話していないけど、自分に全く似てないことくらい分かっていると思う。


話す時がくるまで、私もそのことを教えるつもりはなかった。



郁哉さんは私を騙し、私は郁哉さんを騙しているのだから……。


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