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愛おしいキミに極甘な林檎を
第57章 私は愛しい大魔王の小悪魔



未だに明かされない真実が心にまとわりついているのは、現実で何も解決していないからなんだと思う。



無意識にそう思ってしまうのだからこれは偽物の未来に違いない。


最近、胸を苦しませながらずっと悩んで色んなことを考えていたからこんな形になってしまったんだろう。



「結菜!道路に出たら危ないから走らないで。止まって!」


平日の昼に公園に行き、どこかへ行こうとする子供をヒヤヒヤしながら追いかける私。


その先に立っていたスーツ姿の男性は、傍にいたくてもいれなかった人だった。



ほら。やはり都合よく、私たちは再び出会ってしまう。


誰かに引き裂かれてどれだけ遠く離れても、離れることができない。



「車が走っていて危ないからママのところに戻らないとダメだよ」


「おじちゃん、だぁれ?」


屈んで結菜のことを止めてくれている男性の元へ行ってから私はその人の名前を声に出した。



「……ソラ先輩」

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