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愛おしいキミに極甘な林檎を
第57章 私は愛しい大魔王の小悪魔

「一生背負うつもりだった……。だが、こうなるとは思っていなかった。
オレよりも若い塑羅緒くんの方が先にいなくなるなんてな……」
涙が滲んでいる悲しそうな郁哉さんの瞳。
心が痛むということは、郁哉さんはまだソラ先輩のことを友達だと思っていたんだろう。
「彼はもういませんから罪に縛られる必要はありません。……これからは自由に生きてください」
そう言って私は封筒からあるものを取り出して郁哉さんに手渡した。
「これは……」
渡したものは必要事項に記入して印鑑も押した離婚届。
「私といると犯した罪をずっと引きずってしまいます。……だから別れましょう。
結菜は塑羅緒さんとの子供ですから、私が連れていきます」
「風子……」
「郁哉さん、さようなら……。幸せになってください」

