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愛おしいキミに極甘な林檎を
第57章 私は愛しい大魔王の小悪魔

聞き覚えのある声がどこからか聞こえてきて左右に振り向いて周囲を見渡す。
結菜はすぐそこで眠っているし、ドアも閉まったままで足音も聞こえないから父と母が帰ってきた様子もない。
「えっ……、ソラ先輩?」
「風子、ここだよ」
背後に重たい気配を感じて振り向くとすぐ後ろにソラ先輩がいたことを知り、目をカッと開いて心臓が飛び出てしまうんじゃないくらいに驚いた。
「そそそそソラせんぱい!?……化けて出てきたんですか!?」
「分からないけど、どうやらこの世に未練があると言った状態なのかもしれないね」
「未練…ですか……」
「風子と結婚できなかったことが余程心残りだったからか、憑りついてしまったのかもしれない」

