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愛おしいキミに極甘な林檎を
第57章 私は愛しい大魔王の小悪魔



いきなりのプロポーズに驚いていると、不機嫌な表情に変わった颯太が理人さんの体を押して転げさせる。


バランスを崩して大胆に転げているから少し可哀想に思えた。



「付き合ってもいないのになんだよ、てめえ。インチキ税理士に風子は任せておけねえんだよ」



今度は颯太が目の前に来て、理人さんと同じポーズでバラの花束を私に向けてくる。


その花束を持つ手は少し震えているし、顔も赤くなっていた。



「子供の方は塑羅緒の遺伝子を継いでるんだから、オレが風子と結婚した方が理にかなってる。

……オレと結婚して一からやり直そう」


「えええっ!?」


颯太からもプロポーズをされて驚くと、立ち上がった理人さんが今度は颯太のことを押して転げさせる。


理人さんと同じように転げて、せっかくビシッと決めているスーツに汚れがついて台無しになっていた。



「僕が風子さんにプロポーズしてるところを邪魔するなんて大人気ないです!」


「いてえな。それはこっちの台詞だ!」


「えっと……、ソラ先輩…これはどうすればいいんでしょうか……」


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