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愛おしいキミに極甘な林檎を
第57章 私は愛しい大魔王の小悪魔

英語に弱くてその意味をまったく予想できなかった私は首を傾げて隣を歩いているソラ先輩に尋ねる。
答えようとして口を開いたものの、何か思うことがあったのかニッと笑った。
「それは……、教えなくても風子に伝わっていると思うよ」
今でも右手の薬指につけているペアリングには“in flore”、枯れることのない花を咲かそうという意味の刻印が彫られている。
ペアリングというだけあって、私たち二人の未来を思ってソラ先輩が決めてくれた。
でも今回は違う。
きっとこれは、ソラ先輩から私へのメッセージ。
プロポーズと共にこの言葉も送りたかったんだと思う。
意味を調べなくても、言いたいことがなんとなく分かった私はソラ先輩の腕に絡みついた。
「ふふっ、大好きです」

