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愛おしいキミに極甘な林檎を
第57章 私は愛しい大魔王の小悪魔

横断歩道の信号が赤になって足を止めた時に頭をよしよしと撫でられて私たちの距離が近いことを感じる。
「ほら、手を繋ごう」
「はい!」
今朝見た夢のような未来には絶対にならない自信があった。
「ソラ先輩の手はいつもぽかぽかしますね」
「風子の手はひんやりしてて気持ちいいね。冷たいから温めてあげるよ」
指を絡ませてしっかりと握っている従う手と優しくて大きな手。
繋がれているこの力が緩まない限り、私はソラ先輩と結婚する。
「気持ちいいとかこんなところで大胆にエッチなことを言うんですね」
「それは風子の方だろ。そっちの意味で言ったわけじゃないんだから。
……でもまだ家に帰るには早いから久しぶりに大きいお風呂に入ってゆっくりしてくる?」
「どこに?」
「分かっていて聞いてくる風子は小悪魔だね。……ラブホだよ」

